2023/06/25 07:48


こんにちは梅雨に入ってからの蒸し暑さと夏は一気にやってきますね。
徐々に新作を仕上げているところです。


今、手掛けている作品は全て一点もの(数点できるものもあり)なのですが、


ところでなぜ一点ものを製作しているのか?


今回は少しそのあたりのお話をさせてください;)






私は数年前にバングラデシュでの量産を試みて海を渡りました。

その頃も、メイドインジャパンを謳う商品には注目が集まっていたので、なぜ今海外かというお声もいただいたりしました。

一人のブランドですので大量生産といっても、そんなにたくさん作っていたわけではなく、一型一色を10個づつくらいまとめると300個など一度の生産はそのくらいでした。




もっとグローバルな視点で仕事をしたいと思っていたので、国境を分けて考えるということ自体、なぜ?と感じていたのです。

実際にモノづくりに関してはとても丁寧で仕事もスムーズでした。




納期の遅れや意識の違いは多少はあったものの、日本で作っても職人さんの違いで起こりうることでしょう。

メイドインジャパンを批判するわけではありませんが、ブランドの価値をそこに求めていなかった、デザインで勝負したいと考えていたのです。


そんな中、コロナ禍に工場の体制も変わり、私の意識も少し変わってきました。

元々、フリーマーケットに出かけて掘り出し物を探したり、家の中の整理が好きだったり、物を大切にすると自分の心が落ち着くと認識していた私は貧乏性なのも相まって何かを消費したら使い切って心地よくなりたい。

という願望がありました。


ブティックを経営していた母の影響もあって海外へ仕入れについていくことも多く、自分のものにならなくとも掘り出し物を探すという楽しみを見出していました。


一から作るモノづくりももちろん楽しいのですが、特に海外で生産するにはロットという課題を乗り越えるために、限られた資源で生産する必要があり、その中からデザインすることに自分が試されていると燃えたものです。





そんな過去の経験や自分を見つめ直したとき、私にできることは「資源を大切に使うこと」だと気づいたのです。

何度も問いかけ方向性を変えるからには、自分がどんな人間で何をしてきたのかをたくさん考える時間を必要としました。

革という自然を相手にする商売だからこそ「自然と共存すること」を一番に考え、使い切る、再生する、をモットーに一点物を製作しています。


また、機会があれば海外での生産にチャレンジしたいと考えていますが、その時はまた違ったアプローチで取り組めると思っています。